「世界には推ししかいないんだ。」

2・5次元の感想や俳優の茶の間ライフ中心にアイドルや声優についても書いてるブログ。

「キズナイーバー」が秀作だった


TVアニメ「キズナイーバー」番宣告知CM / Kiznaiver

 面白かった作品ほど記事にうまく纏められない筆者かのです。数日前に6話前後の感想を書いて挫折したので再挑戦します!

 この作品を観ようと思ったのは、最近観て個人的に当たりだった作品に梶さんが出演されているものが多かったのと岡田磨里さんの脚本が好きだからです。

 キャラデザやOPがお洒落で中二な印象を受けましたが、EDが素晴らしくお話やキャラの濃さも引き込まれるものでした。主要キャラは高校生ですが、作品の鍵の一端として出てくる学校の先生くらいの年齢の人が見ると、より深みを感じられる大人向けアニメだと思います!

 ここから、核心に触れない程度の軽い人間関係のネタバレがありますのでまっさらな状態で観たい方は戻る推奨です!

 簡単にあらすじを説明させて頂くと

キズナシステムという他人の痛みを分け合い共有するシステムを生み出す実験に巻き込まれた7人の高校生の人間ドラマです。青春群像劇、なのかな一応。

 タイトルからお察しの通り本作のテーマは「絆」。昨年のアニメですので、東日本大震災から5年の歳月が経った頃のオンエアですが、企画はかなり前からあったそうです。

 私事なのですが、自分は東北の人間で被災者です。身内を亡くしたりはしていませんが停電や1か月のガス・お風呂の使えない不便な生活を強いられました。そんな時に

ツイッターでの炊き出しの情報や知らない人たちから頂いた情報、世間話に助けられたことも多かったのです。だから私は絆の意味を、他人にこそ見出します。

 この大災害のとき、海外からは人をだましたり足の引っ張り合いをせずに助け合う日本人の姿が素晴らしいと称賛されたと後日テレビで観ました。確かに私の周りでは、思いやりを大切にしている人が多かった。

 私は人間不信なところがあるし、対人関係も苦手なので友達や親戚と深く繋がるよりも他人と足りないところをカバーしあえるほうがよっぽど大切で重要に思います。ネットで繋がりを求めるのなんてうわべでしかない。この作品でもそういうことを言いたいんじゃないかと勝手に自分の経験と重ねて思いました。

 重い話になりましたが、あらすじに話を戻すと、7人の高校生たちはクラスメイトながらも全くタイプの違う人間でこの実験に選ばれなければ友達はおろか会話をすることもなかった人種と作中で語られています。

 そんな他人で終わるはずだった彼らが実験で繋がることにより、互いを思いやったり心配したり、それがうざかったり関わってほしくなかったり、それぞれの過去や想いを抱えて恋愛感情を持って、うまくいかなくてはがゆくて、そういった青臭いドロドロの

トーリーです。

 私はドロドロ好きだし岡田さんの作品は「花咲くいろは」「あの花」など心に響く脚本や名シーン名セリフが多くて大好きなのですが人を選ぶのは確実なので、名作ではなく秀作と記事のタイトルをさせて頂きました。

 そして、ドロドロももちろんありますが和やかな日常シーンももちろんあります!徐々に明かされていく実験の真意や過去、謎の美少女や主人公の過去も気になって

観るのがやめられなくなること間違いなし!

 私は男女のキャラが両方出てくる群像劇が好きです。恋愛も絡んでくるけどメインテーマではないので見やすかった。

 そんな中、登場時から一番好きなキャラは仁子ちゃん!これは一択ですね!

彼女は不思議ちゃんで友達がいなくて(全員いない設定だけど)思ったことをストレートに言っちゃって泣いちゃう。ムードメーカーで彼女がみんなに連絡をして集まったりもできてくる。彼女の言うことに一番共感できたし、「そうそう!でもそれ言っちゃまずいよ」と大人なら飲み込んでしまうことも言っちゃう。そこがいい!彼女のセリフで

「ちゃんと痛くなってくる」というものが印象的で好きです。どの場面かはネタバレなので伏せますが。観ている私たちもこの作品に向き合うことでちゃんと痛くなれてるような気がするんです。

 また、他人の集まりですが主人公の勝平と千鳥は家がお隣どうしの幼馴染です。幼馴染設定萌えの自分としてはこの二人も好き。そこに謎に美少女のりちゃんが関わってくるわけですが・・・。

 そして、感情移入しやすいという点では過去のトラウマから人と深く関わることを避けているほのかちゃん。「友達なんていらない」と最初からクールな彼女の過去話は

つらかったけど彼らの関係を深めるのにとても説得力のあるエピソードだったと思います。最初から何かあると匂わせる描写がありますが、中盤くらいで明らかになります。彼女に惹かれている由多くんの活躍も見物。そんな頑なな彼女に「友達になって下さい」と伝え続ける仁子ちゃんと、痛みを共有しているのに理由がわからなくてもどかしいみんながどう近づけるのかぜひ観て頂きたいです・・・!

 合宿のシーンもあり、そこでいろいろあって気まずくなってしまうのは観ていてつらかったけど(実験自体が期限つきで終わってしまう)そこからシステムの力なしでも

他人に戻ってしまうのは悲しいと思う仁子ちゃんと一緒に行動してくれる勝平くん、日染くんの3人も個人的に和んで好きでした。

 面倒くさくなってくる千鳥とまっすぐで男気ある天河、なんだか熟年夫婦のような自然さを出してくるほのかちゃんと由多くんのコンビにも注目。

 物理的痛みを感じない体質になっていた勝平くんの心の動きや感情にも注目で、真実を知ったときの勝平くん役、梶さんのお芝居がすごかった。無感情無表情な役って逆に難しいんだなって実感しました。それまで逆にいい意味で空気な主人公なのも後半に活きてきてよかった。

 みんな個性的でいいのだけど、痛いこと(物理的)が大好きな日染くん。イケメンなのにピアスと包帯だらけでなぜかいつも体操着だった彼、とてもいい味を出してた。精神的に一番大人な気がしましたw西山さんは他作品で不思議ちゃんのイメージあったのでいい仕事してるな!って思いました。

 男性視聴者からはヒロインの一人でキーパーソンの、のりちゃんも人気だったようですが、自分は女性キャラでは仁子ちゃんとほのかちゃんが好きでしたね。浮世離れした美少女っているだけで絵になるけどね!彼女の闇も明かされたとき少しわかるような気もしたし。

 なんとか核心には触れずに感想書けたと思います。一人でも多くの人にこのアニメのよさが伝わればいいなと強く思います。

 そして劇場に行きそびれた「ここさけ」を観たい。最近出た岡田さんの自伝も読みたい!

 

  EDは岡田さんが作詞を担当されています。女子キャラメインの白背景が映える映像も歌詞も歌声も素敵でリピート必須でした!ここで持っている

花の花言葉を考察されている方がいて、泣けるらしいです。

各話のタイトルも長くて変わってますが、数字が紛れているという粋な仕掛けも私はネット見てて知りました。考察好きの方もサイトなど観ながら視聴するのにおすすめの作品です。

 EDの動画、公式のものがなかったので載せられなくて残念。