「世界には推ししかいないんだ。」

2・5次元の感想や俳優の茶の間ライフ中心にアイドルや声優についても書いてるブログ。

「君の名は。」を観たので評価してみた。

 こんにちは、かのです。

 だいぶ遅れてですが、(WOWOWで放映された)映画「君の名は。」を観たので自分なりのレビューを残しておきます。辛口なのでファンの方は読まないほうがいいかと思います。

 ネタバレも含みますので、まっさらな状態で観たい方も閲覧非推奨。

 まずは、簡潔に評価するなら「イマイチ」。理由は、SFとしてならせいぜい100点満点中10点、ラブストーリーとして設定はいいが最後のツメが甘いのが残念だった。

 SFとしての評価の低さは、頭のいいほうじゃない私でも「時間軸」や「場所」に疑問を抱く箇所が多かったこと。これはSF要素目当てに観た方や詳しい方はかなりの減点対象になるかと。

 恋愛モノとしては、時間のズレ・場所の遠さでなかなか「会えない」二人という設定がとてもせつなく個人的によかった。片割時?に少しだけ会えた演出も「七夕」みたいでよかった。少し残念だったのが入れ替わりによって恋が芽生えるのか謎なこと。

 だが、なんといっても減点だった点は唐突に大人になった二人が再会するがお互いに「記憶がない」こと。

 入れ替わりに関する記憶がないが、高校生のみつはが言っていた通りすれ違えばフィーリングでお互いがわかるという。

 フィーリングでわかるなら、最後はキーアイテムのよつはの髪紐に触れたら2人が全てを思い出す、くらいのべたな展開を期待したかった。正直、大がかりな話の割にはエンディングにロマンがなさすぎる。エンディングのしっとりした曲も微妙。エンディング後に後日譚も全くなし。

 恋愛モノとしての批判が多めになってしまったが私が恋愛映画にうるさいからなのでSFファンの方はそっちのほうに批判するのだろう。

 全体的に「話題」になる要素が多かったので、公開当時の話題っぷりと一方で内容には賛否両論だったことは実際に観てなるほどと納得した。

 次に、この映画のスタッフ陣、キャストについて個人的な印象を述べさせて頂く。

 監督:新海誠さん

 事前に「言の葉の庭」を観たがこれが個人的に酷く気持ち悪い映画だった。入野自由くん目当てだったので彼の演技と映像美はよかった。この監督の映画はMVのようだという言葉をよく耳にするが、今回の作品もOPの曲がまさにそんな感じだった。歌詞に沿って絵を作ったと以前何かで聴いたような気がする。恋愛モノとしてオチをつけないのもこの監督の特徴だろうか。ファンタジーなのに変なとこ現実味にこだわる作風も合わなかった。

 音楽:RADWIMPS

  高校生くらいの頃に話題になっていたのでアルバムを聴いたことのあるバンド。私には恋愛に関しての歌詞が気持ち悪く合わなかったのでこの作品で話題になるまで避けていた。この映画は彼らのPVと言われるほどの楽曲数が使われているが、事前にその情報は聴いていたためそこまで不快ではなかった。ただ、爆弾騒ぎ以降の曲は正直あまり合っていなく頻繁にかかるため耳障りではあった。あと、昔聴いた彼らの曲よりいい意味で万人受けするサウンドや歌になっており、某バンドの曲に似ているなぁと感じた。ただ、「前々前世」のタイトルの意味深さや曲のかっこよさキャッチーさは認めざるを得ない。

 この2組が嫌いでなんでこの映画を観たんだと思われる方もいるかもしれない。それは以下のアニオタセンサーが反応したためである。

 キャラデザ:田中将賀さん

 「あの花」で有名な田中さん。「ここさけ」など岡田磨里氏の脚本作品に関わっているため個人的に好きである。「あの花」ではキャラの髪色が若干奇抜であったが今作は「ここさけ」寄りの一般受けする感じのキャラデザになっており、かつ田中さんらしい素朴さも残しているのがよかった。よつはの髪型は4変化くらいするが、ボブにした直後髪紐を渡されてカチューシャのようにつけるシーン。ギャルゲーヒロインによく見るタイプのリボンがへたらないところがオタク心をくすぐった。

 声優陣:メインのキャラには俳優女優を起用しているが、深夜アニメオタの私が引くほど下手でもなかったので安心して観れた。神木くんはなかなか好みの声質だし、上白石さんもキャラに合っていた。(彼女の声質が少し花澤さんに似てると思ったのは私だけだろうか。監督がキャスティングに関わっているか知らないが前作のヒロインであり今回も登場している花澤さんの声質が好きなら納得)

 長澤まさみは名前を見るまでわからなかったので声優向いてると思う。

 声オタとして見逃せないのはメイン以外の実は豪華な声優陣。

 瀧くんの有人役として島崎信長くんと石川界人くんが出ている。声に癖がないがイケボなので声オタなら見逃さないポイントかと思われる。

 そして三葉の友人、沙耶香は我らが悠木碧ちゃんである!!!!(超重要)

 私は歌手としても役者としても(おたくとしても)あおちゃんのことを大変評価しているので彼女が出ているなら観るしかないなと感じた。

 珍しくリア充の役だが、さまざまな声質を操る声優らしく主張しない声音を使い見事に普通の女子高生を演じていた。

 特に、彼女最大の見せ場である「放送」のシーン。あの場面での、放送部らしく、かつ大仕事を任されて緊張している沙耶香の心情を現した表現は拍手ものである。

 ちなみに瀧くんの父は井上和彦さんである。ほとんど出てこないのに豪華。

 そんなアニオタ・声オタにも実は嬉しいサプライズもあるこの映画である。

 正直、隕石の災害が起こるまでの1時間ほどは期待していたより面白かった。

 離れた場所で入れ替わるという設定と日記に残す演出はわかりやすく、入れ替わりの日もランダムに発生する設定も興味深い。

 となると、脚本としてダメなのは登場人物の心理描写(どの過程で好きになったかわからない)と隕石災害をいかにして回避するかのアイディアの点かと思われる。

 結局、爆破事件という村では「高校生のいたずら」扱いされる事件で避難を促したため奇跡的に全員生き残るというなかなかご都合主義の展開をした上、隕石は途中で真っ二つに割れ予定より(1回目に起こった三葉たちが死んだ災害)少ない被害で済んだという説明になっている。

 尺の都合上、やり直しがきくのがせいぜい1回ならもっと趣向をこらしたものにできなかったのだろうか。高校生にできる最大限の努力以上のことやらかしてもよかったのでは?

 大方文句になってしまった。新海監督作品はいつも観終わったあとにモヤモヤするので今後できれば観ないようにしたいと思う。実際、これ以上のヒットを出すのは難しいだろうし。

 タイムループでも恋愛でもどちらの要素も兼ね備えた傑作なら「シュタインズゲート」があるのでこの映画を観るくらいならそちらをおすすめしたい。オタク向けではあるが。(引き合いに出して双方のファンには申し訳ないが、私はループものならこれが一番好きなのだ)

 以上、アニオタ・声オタ・恋愛もの・ループもの好きの私のレビューでした。

 この独特のモヤモヤで考察サイトとか見てしまって時間を無駄にする未来の自分が見える。