こんばんは、かのです。このブログネーム1年以上使ってるのに慣れない。
ところで、最近私はMDに保存していた「あゆ」の曲をよく聴いています。
私は地味なおたくで「ギャル」文化が好きだけど、自分がギャルになる気はない女の子でした。デコ電にしてたので仲良しの先輩には「携帯だけギャル」なんていじられてたっけw
ギャル文化って、「かわいくてセクシー」そしてギャルの子って「ノリがよくて友達想い」みたいなイメージがあります。ギャルにいじめられたこともあったけどなw
最近でも西野カナの髪型やファッションは好きだし、ギャル文化にはリスペクトを持っています。
ここで、私が敬愛している作家の嶽本野ばら先生もあゆの大ファンだとエッセイなどで公言していることにも触れておきましょう。先生の代名詞でもあるロリィタはどちらかというとサブカル文化寄りのものであってギャルとか渋谷とは対極にあるのです。そして私はロリィタ魂寄りの人間なので。
それだけあゆの歌詞は、ジャンルを問わず人の心の奥底に響くのです。
大人になって思ったんだけど、初期のあゆの曲の歌詞における恋愛って「不幸な私」と「輝いている貴方」のテーマのものが多い。
彼女は育った環境が複雑だったイメージがあるから自己肯定感が低いのだろうかと思う。
「貴方のような人に私なんか勿体ない」そんなメッセージが強いものが多いが、恋愛の眩しさというよりはやはり「自信のなさ」からくる卑下なんじゃないかと思う。
そこに共感できる人はなにもギャルじゃなくてもたくさんいると思うのだ。
初期は歌唱力こそ正直残念だが、歌詞が只者ではなさを強く発している。これは売れると思うだろう。
ここでwikipediaを参照したところ、本当に彼女は激動の人生を送っていた。あと、デビュー時から作詞は本人によるものだという。
「悲劇のヒロイン」を地でいく彼女が、なぜこんなにも若い女の子たちに指示されたのか?それはまたカルチャー的な論議になりそうなのでここでは省かせて頂く。
1999年発売9th「Boys&Girls」でのブレイクが記憶に鮮明に残っている。当時小学生だった私の周りではなぜか男子たちがこの歌の替え歌をいつも歌ってた・・・ちょっとふざけた歌詞だったので割愛。
この曲以降安定してオリコン3位以内を死守しているのでやはりブレイクはここだろう。夏の太陽とビーチを思わせるポップな曲調に高音あゆボイス、希望に満ちた若い歌詞が見事にハマっている。
この頃は12センチシングルだがCDがバカ売れする時代だった模様。あゆも年間に7枚前後もリリースをしている。
私が聴いているベスト盤では、この次の曲は「monochrome」なのだが相変わらず暗い影をめっちゃ落としている。そして印象的な言い回しが光る。なりたかったのはお姫様ではなく、君の隣にいる私。そして大丈夫、私はとても強いからのくだりで突然音が切れる。最初聴いたときはCDの不具合かと思ったがこの演出はいまだ心臓に悪い。
お次は印象的なナンバー「appears」だ。この曲の歌詞は、いやこの曲も、やはり視点が独特で「当たり前の事実を突きつける」スタイルである。恋の始まりからストーリー仕立てに描いた歌だがやはりそう簡単に幸せモードのみにならないのがあゆである。「恋愛のリアリティ」これこそ先ほど触れた若い女の子を夢中にさせたものなのかもしれない。私は恋愛偏差値が低いので、残念ながら「あゆの言い回しってほんと言いえて妙だな」と称賛の言葉しか浮かばないが。
2曲飛んで「vogue」はエスニックなサウンドの楽曲で、出だしから「君を咲き誇ろう」と印象的な歌詞である。しかも「散る」ところまで見えている。この曲、地味に好きで今でも聴いてると口ずさみたくなる。エスニックとか一歩間違えると癖が強すぎるのになんでこんな絶妙にお洒落なんだ?
1曲飛んで「SEASONS」。これはドラマタイアップでバカ売れした印象が強い。第二次ブレーク曲なのでは。個人的にそんなに曲への思い入れはないのだが、季節をなぞった歌詞が幅広い人に受け入れやすかったのだろうか。私の印象としてはひまわりの花でできたドレスをあゆが着ていたのがとても綺麗だったことだ。あと、やっぱサビは覚えやすくインパクトがある。あゆってどうして「当たり前のことを再認識」させる語彙力がこんなにあるのだろうか、もはや才能!
2曲ほどノリノリなナンバーが続いて「M」。このあたりから数枚好きな曲をシングル購入した思い出がある。バラードのリリースが定期的になり、ドラマチックな歌詞にあった凝ったMVが制作されるようになった。純白のドレスが綺麗なMVだった。それでもまだ、「終わり」を念頭において歌っているあゆはどこまでも「哲学」を通してくれる。「ブレない」のもその独自の恋愛哲学も女子の支持を集めたのだろう。
ここで1曲はさみ「NEVER END」「Endless sorrow」のコンボ。小学生中学生の私はこの2曲が大層好きでどちらもCDを買った。ほんと根暗な少女だったんだな。
だってこの「NEVER END」ってメッセージ性が恋愛絡みだけではなく「願い」というテーマで連想しやすかったのだ。オルゴールっぽい少し不気味なイントロも良い。
そして「Endless sorrow」はドラマ主題歌だった。大人が見るドロドロのやつ。ピアノの冷たいイントロが寂しくも美しい。徐々にギターや打ち込みが入っていくことで、あゆサウンドっぽくなるのもかっこいい。そしてこちらも歌詞が暗い。このタイトルの意味を調べたとき少し固まった。衝撃で。そしてサビの高音の美しさ。「翼」はジャケ写のあゆにも生えていた。「片翼」がテーマだったのかと大人になって思った。そんなテーマだとゲーム音楽みたいだけど、終盤で「この時代」の歌だと歌詞に出てくることで一気にリアリティが加わる。そこからのラスサビ。でもやっぱ絶望に立ち向かうテーマ性がどこかゲーム音楽っぽいかも。
「Dearest」もバラードシリーズ。これ、「犬夜叉」のエンディングだったんだよなぁ。意外すぎる。おたくとあゆが結びつかない。
「Voyage」も名バラード。MVがすごい切ない時代モノだったのが印象に残っている。あゆが姫だったような。「HEAVEN」と混同している可能性があるけど。確か伊勢谷友介が出ていたんじゃなかったかな。2曲ともドラマチックさが素敵。ぜひMV付きでも聴いて頂きたい。
最後に2曲ほど触れて終了にしたい。ちょうどこのくらいまでしか曲を追っていなかったので語れる最後になる。
「No way to say」冬のリリースだったか、雪道が印象的なMVだった。あゆの曲はMV込みで記憶にあるものが多い。王道のせつない系バラード。あゆっぽさというよりエイベックスみが強いように感じた。サビの盛り上がり以外はささやくような歌い方が良い。化粧品のCMっぽいような曲調。意外にもMDプレーヤーのCMソングだった。
「STEP you」かっこいい系の曲なんだけど、歌詞がとても乙女。初期からは想像がつかないほど歌詞より音重視の楽曲になっている。カリスマゆえか。
正直書き出した頃にはこんなに語れるとは思ってなかったです。好きなものって時代が変わってもずっとその想いはどこかに眠ってるものなんですね。宇多田ヒカル編とかもやれたらやりたいかも。
しがないおたくの戯言なので音楽批評家の方には叶いませんが、自己満なので書いてて楽しかったです。