こんにちは、かのです。
放送時に話題になっていたこちらの作品、以前から気になっていたのですがやっと見れました。
私は、近年の京アニ作品では「境界の彼方」が一番好きなのでこちらの作品も男女の恋愛要素がありそうで期待していました。「聲の形」もよかったですし。
観終わって改めて公式サイトを参照したところ、「京都アニメーション」大賞の受賞作が原作なんですね。そういった賞の存在は知っていたんですが、アニメ化されていることまでは知らなかったです。最近の京アニさんは「氷菓」とか小説原作のものがぐっと増えたので小説の賞があるのはいいですね。そしてスタッフ陣がまた強力!
概要に触れたところで、簡単にあらすじを説明しますね。ここからネタバレあり!
ヒロインのヴァイオレットは少女兵として戦場で、戦う機械人形として生きてきました。しかし、戦争の終結とともに上官であった少佐と離れてしまったことから新たな職について生きていくことに。そこで彼女が選んだのは、「人の想い」を「手紙」にして代筆する「自動手記人形(以下ドール)」でした。生死不明の少佐から託された言葉の意味を知るために、軍人として鍛えられた忍耐強さでさまざまな試練を乗り越えドールになった彼女の、人との出会いと成長の物語です。
公式サイトのイントロダクションが見事なのでそちらを参照してもらったほうがよいですw
私はぶっちゃけ戦争モノとか軍モノって好きじゃないんですが、全13話で最初と最後だけが戦争の話なので案外抵抗なく見れました。
どちらかというと、人々との出会いを通してヴァイオレットが「感情」を知っていくことを主題とした作品なので成長モノとか冒険モノ好きな人に響くと思います。
毎回エピソードが大変泣けるので、泣きたい人にもおすすめです!私は、ほぼ毎回タオル用意して泣きましたw
この作品にはさまざまな要素が入ってますが、大きな魅力としては「作画の美しさ」と「物語の素敵さ」だと思います。
人物も個性豊かで、声優陣も安定していて見やすかったです。
私は、特に内山くんと戸松ちゃんが好きなので出演されていて嬉しかったです。うっちーはお洒落男子で少し珍しい役でしたし、戸松ちゃんの元気系は久々に聞きましたね!
京アニ安定のみのりんもいますし、遠藤綾さんのお姉さんキャラはやっぱいいですね。子安さんの社長が意外にもとてもハマってらっしゃいました。
そしてやはりメインのヴァイオレットと少佐が間違いなかったのが、大きいと思います。
ヴァイオレットは、石川由依さん。「進撃の巨人」でミカサをやられてた方ですね!最近多いアニメ声ではなく、落ち着いたトーンで聞きやすい声質の方です。そして、最初は機械のようだったヴァイオレットが感情を知っていく過程のお芝居が本当に見事でした。観終わった今では彼女以外にはできない役だと思わされました。
どう考えても難しい役なんですが、自然で、見ていてふっと現実に引き戻されることもなかったです。彼女のお芝居のよさは、この作品にとってかなり大事だなと感じました。
余談ですが、所属事務所が劇団ひまわり系列の砂岡事務所なので、舞台の出演本数が多いんですが2・5には出られていないんですね。(同事務所に2・5によく出ている鳥越くんがいるので)声優も舞台もどちらもできそうですが。
そして、少佐役の浪川大輔さん。こちらは故人なので、やはり各登場人物の中で美化されている部分もあるかと思いますが、それゆえ難しい役だなと思いました。ヴァイオレットとの年齢差を考えても「お父さん」みたいにならないギリギリのラインをうまく演じてらっしゃるなと。(社長は逆にお父さんっぽさが出てる)ヴァイオレットから見て、上官であり「一人の男性」としての少佐が画面上にいらっしゃいました。浪川さんやはり好きです。
私は、ヴァイオレットにも少佐にも感情移入してしまって、中盤くらいまで本気で生きていることを信じていましたね。最終回で、大事なのは現在の生死ではないと知らされましたが。ラストで扉を開いたヴァイオレットが再会(?)したのは誰だったんだろうかと。少佐だったらあの表情ではないですよね・・・。号泣してるはず!
そして、レギュラー以外の各話ゲストも豪華でした!
特に個人的に好きなエピソードが、5話と6話と10話なんですが名だたるゲスト声優さんでした。
この回はツンデレな姫と不器用でワイルドな王子の話で、ロマンチックな恋文を代筆するんですが、実は主題は姫の侍女との別れの寂しさをテーマにしていたという。ロマンチックで秀逸な回でとても好きです。
私の心の中でランカちゃんは永遠のアイドルなので、中島さんのお声はすぐわかりましたし今回のシャルロッテ姫もとても素敵な役でした。
ここもなにげに年の差カップルなんですよね。確実に私の好きなポイントを突いてくる作品です。最後は泣きました。
ツダケンさんの王子も渋くて不器用で、王子という設定とのギャップがあってかっこよかったなー!
6話は、天文台の写本の助手としてドールたちが集められ天文台の男性職員とペアになって作業する話。ヴァイオレットとペアを組むリオンは上村祐翔くんでした。
見ている間ずっと「好きな声だなぁ、聴いたこともある・・・誰だろう」と思っていて、エンディング停止してやっと把握しました。(聞き分けは得意だけど、若手さんのデータ不足)
リオンはかわいい男子でした。女嫌いでヴァイオレットにも最初冷たいんだけど、彼女の実力やかばってもらったことから彼女の人となりを知って惹かれていきます。
流星群の夜に天体観測に誘うんですが、少佐の話を聞いて身を引くというか、天文台を出て夢を叶えることを決めます。旅人としてまた再会しようと最後告げます。
髪も長いし、ツンデレだし可愛かった。別れ方も前向きでよかった。癒しのラブコメ回。
8・9話と戦場での回想が続くので辛いんですが、10話でまた仕事に戻るヴァイオレット。
10話は、余命わずかな母親が自分の娘に宛てた50年分の手紙の代筆を頼むというすごく素敵なお話でした。娘のアンは、諸星すみれさん。お母さんは川澄綾子さん。
アンは泣き虫でお母さん大好きでかまってほしいんだけど、子供なりに母の病状の悪化を察知していたりして見ててしんどかったです。最後には毎年手紙が届くシーンが入るのですが、そんな演出泣いちゃいますよ・・・!アンもちゃんと真面目に生きていくんだもの。
アンがヴァイオレットのことを最初本当にお人形だと思っているのが、可愛くて少し笑えました。
いい作品すぎて、書き足りないことだらけの気がしてしまいますね。
もっとたくさんの人に見て頂きたいです。自信を持っておススメします!!
あと最後にもう1つ言いたいのは、王道展開でも最後は絶対「少佐にあてた手紙」を書いてほしいなと思っていたんですが、それが叶ったことがとても素敵でした。
航空祭で手紙が空から撒かれるのも、紫の花畑に手紙が落ちるのにかぶせてヴァイオレットの手紙の音読が入る演出もとてもよかったです!もちろん手紙の内容も。
少佐のお兄さんが、「両腕も義手になって(失って)上官も失ったのに彼女はそこに立っている。」みたいな語りを何回か変化させて入れてくるんですが、本当に彼女はがんばったな、強いなと思いました。
最初は少佐が亡くなったであろうことも隠されていて、感情がわかってきたあたりで知ってしまうなんて酷だなと思ったんです。それでも純粋に少佐から言われた「生きろ」という最後の言葉をちゃんと守って、すねたりせずに自分にできることをやって生きていくって決して簡単ではないことだと思います。
新作の制作が決定しているそうなので、また素敵で温かい物語に出会えることと、ヴァイオレットが笑える幸せな日々を想って待ちたいと思います。
あと、ヴァイオレットちゃんのフィギュアを出してほしいです。等身のやつ。
美しいお姿を眺めて過ごしたい。