こんばんは。レビュスタ劇場版新作観てきましたー!!
休日だったからか9割くらいは席が埋まっていてびっくりしました。
この手の作品は男性客が多いですが、今作は2割くらい女性客がいて心強かったです・・・!!
先日アニメを一気に見まして、記憶の新しいうちに観に行きたいと思ったら、特典の色紙も頂けました。まやさんでした~!
otomegokoro-teatime.hatenablog.com
感想にはネタバレを含みますので、ぜひご自身でご覧になって頂くことをお勧めします!!
満足度から言うと、最高でした!!
今回も、初見で全て消化しきるのは難しいレベルで細かい仕掛けがたくさん散りばめられ、過去の名作歌劇のオマージュらしき部分やアニメでも印象深かった偉人の言葉など何度も見るほど理解が深まっていきそうな作品でした。
以下、2・5次元舞台&若手俳優から小劇場俳優まで浅くかじってきた&家族が宝塚オタクで話を見聞きしている美少女アニメ好きの女の感想になります。
難しいことはあんまわからない頭なのでご了承下さい。
(すごい作品すぎて感想を書かせて頂くのに恐縮しちゃう。)
①舞台的な小ネタ満載
今作にはいくつかの劇団の名前が出てきます。演劇好きではない人でもあれかな?と元ネタの想像が安易なほど有名な。
また出てくる劇場の実在するモデルがあると思われます。
公演や劇団のスターさんのお名前なんかも宝塚や東宝系ミュージカルにお詳しい方なら、おわかりになるのかな?と。
私はイメージ程度しかわかりませんがw
出てくるあの雑誌、家族が持ってる宝塚さんのあの雑誌に似てましたねww
またレヴューが連作短編のようになった構成も見やすく、この後詳しく触れますが
電車の停車駅名に下手(しもて)とついていたり、舞台好きをワクワクさせるエッセンス盛りだくさんでした。舞台オタク大歓喜!
②テーマとその描き方
個人的な解釈ですが、アニメシリーズは「スタァライト」を軸に物語が動き出すスタイルであったのに対し、本作は「続編」。
そこを活かしての、「ヒロインたちの進路」と「アニメで語られなかった本音」を軸にレヴューが展開して物語になっていく。
そういった構成だという印象を受けました。
最後のほうでキリンも言っていましたね。
「観客が望んだから、あなたたちが魅力的すぎるから」だと。
キリンの立ち位置もアニメと異なりました。そこは最後に触れます。
よくあるアニメなら、「続編」で「3年生編」ならそんな凝った描き方はしないでしょう。さすがレヴュースタァライト!(普通なら3年生の文化祭を描くのでは?)
「舞台」のその次は?「電車は必ず次の駅へ」なるほど、面白い描き方!
「ピンドラ」感もありましたしw
つり革にずらっとぶらさがったマント・・・たまらないです。
③電車が導く闘い(レヴュー)の舞台
前でも少し触れているように、今作は劇場の見学へ行くヒロインたちが電車ごと迷い込んでしまう地下鉄?が物語の入り口になっています。
異世界へ行くような、ジブリの世界と現実を結ぶような役割ですね。
そんな駅名に下手や楽屋があったり、舞台の世界へと続いていました。
その発想は全くなかった!(予告編も見ていなかった)
迷い込んだときに、突然開幕する大場ななの「皆殺しのレヴュー」?が衝撃的な演出と闘いの幕切れを告げ、序盤から観客の心を鷲掴みにします。
現実では、3年生次の「スタァライト」の決起集会が行われている頃。
やはり幕開けは、ななちゃんか。
このシーンかなり血が出ます。
PG12つかなかったのはなぜ?とも思いましたが、「血糊だよ」とセリフで言わせることと、ネタバレ防止のためでしょうか。
私は血、苦手なほうなのでびっくりしました。
舞台の血糊のはずなのに、アニメだから生々しいんだもん。ずるいわー!
レヴュー楽曲が今回も全体通してめちゃめちゃよかった!!
演出的な部分では、アニメのほうが「舞台演出的」。(舞台演出は大道具やセットを駆使して現実っぽく見せるものだから、より観客の想像力に委ねるところが大きい)
劇場版は血糊ひとつ取っても本物のような生々しさで「アニメ的な演出」をできる限り尽くしてくれたのが正反対でよき!!
(砂漠はどちらでも出ますww)
アニメ版で観客(視聴者)を「舞台人」に変えてしまった上での演出意図かしら?w
④華恋ちゃんの進路と舞台少女になるまでの物語
劇場版のHPに掲載されている、イントロダクションの文でも彼女の「続き」が問われると文章が掲載されていました。
進路調査の紙を提出するメンバーと白紙のままの華恋ちゃん。
アニメシリーズでこの学校へ入った理由は「ひかりちゃんと運命の舞台を演じるため」という一点のみしか描かれなかった彼女。
(例えば香子ちゃんなら家を継ぐのにいろんな踊りを学ぶためなどの動機付けが描かれていた)
しかし、この学校の元ネタが宝塚音楽学校だとしたら?なんの努力もなしに入学できるはずはないわけで。
幼少期からバレエを習い、ボイトレに通い、スタイルの維持やメンタルの強化。
学業や友人と遊ぶ時間を犠牲にしてでもライバルより努力をしなければいけない最難関。
現実でもそんな話を聞いたことがあった。
そして今作で描かれる華恋ちゃんのしてきた努力、葛藤。選ばなかった普通の女子学生の道。
「そういえば」知らなかった。アニメ版の主題は「ひかりちゃんと二人で」そこに焦点が、観客の関心が向くように作られていたから。
しかし、先が見えなくなった華恋ちゃんに必要なエピソードだった。
この先舞台に立ち続けていくために。
アニメ版では「ななの望んだ再演を繰り返す駒として」あるいは「ひかりの失った舞台少女としての大切なものを探すため」の「二人で勝ち取るヒロインの片割れとしての役割」それが99期性の彼女たちであり、ひかりの運命の相手華恋の役割だった。
また、「スタァライト」再演中の展開により、華恋ちゃんの舞台少女としての能力も「すごい」こともあれば「へっぽこ」なこともあった。テレビ版でここを描かないでおいたのもそのループ時の設定に矛盾が生じてしまうからだろう。
しかしアニメの最終回で二人の夢は叶う。「続編」で語られるのは個人の話だ。
最後のほうのレヴューで華恋ちゃんが言う「舞台に立つのってこんなに怖いことだったんだ」。
このセリフ、聞き覚えがあった。
昨年コロナ禍が始まった頃、相次いで中止になる舞台への「やるせない想い」を俳優たちは口にする者もしない者もいた。「中止になって辛いのは僕らだけじゃなく、チケットを取って楽しみにしていてくれたお客様も同じ」と。
それだけ舞台は生もの。観客と役者の一期一会を大切にする芸術なのだ。
少し話は逸れたが、舞台に立つことを想像してみてほしい。
ミスをしたら、セリフが飛んだら?カバーし合う仲間はいれど、限度はある。
物語を止めないためにどれだけの稽古、覚悟を決めて舞台へ上がっているのか。
私なら考えただけで恐怖だ。というか台本を覚えられるだけで役者を尊敬する。
また、舞台少女たちの未来がエンドロールで描かれるが、最後に映像で入る華恋ちゃんのシーンは何かのオーディションだ。
ここにモヤっとした方、いるのでは?
これは売れない役者あるあるなのだけど(下積み時代のインタビューとかでよく語られる)ひたすらオーディションを受けまくる。
エンドロールのクロちゃんのようにバイトをして生活を立て、オーディションを受けては落ちてを繰り返し、受かったら稽古の二重生活。
劇場版で描かれた学生時代の努力と歌劇を学んだ3年間を活かして、彼女は一人力試しに、個人で戦いに出ることを選んだのだ。(事務所に入ったのかは気になる)
舞台俳優とは、どこかに属して学びながらだけが全てではない。
ほんと厳しい世界だなぁ。
ついアツく語ってしまった。
⑤逃げてしまったひかりちゃん
メインヒロインのもう片方、ひかりちゃんであるが今作ではロンドンの学校に通っている。
一回見ただけでは、アニメ本編の二年時のラストが変わってしまったのか、アニメ本編のように一人舞台を続けることからを回避はしたが何かの事情で自主退学してしまったのか。アナザールートという解釈で私は見てました。
(続編であり、華恋ちゃんが続ける理由を見失ってるところから後者かな)
アニメがひかりサイドなら、劇場版は華恋サイドのイメージ。
そんなひかりちゃんを舞台に上がらせるために、まひるとのレヴューはとても見ごたえがあった。
「舞台に上がりなよ」的なことを言われている彼女を見て、日本とイギリスの空間軸が繋がる感じ。
まひるのレヴューはどうしてもダンガンロンパのおしおき的な怖さを感じてしまうw
今回は、オリンピックっていうのもきっと世間へのメッセージなのかなと思わずにはいられなかった。(アニメでは野球)
ヤンデレ感も劇場版でパワーアップしていて、「華恋ちゃんの話は今はしてない!」とか「本当は大嫌いだった!」とひかりへ告げるところが潔くて好きだ。(アニメでは「かれんちゃん好き好き」の裏に隠れている感情なんだから面白い)
「そりゃそうだよなー」って思ってしまった。
劇場スケールのヤンデレ、ぜひヤンデレ好きに堪能して頂きたい!!
本音をぶちまけた上で最後には友好的に次の舞台へ送り出すところに、ライバルでありながら認めてもいる、そんな舞台少女魂を感じてエモかった。
ちなみに他のレヴューも最後は和解できるのが戦友感強くて、素敵だった。
⑥連作レビューで語られる本音
ななのソロ・まひるとひかりは触れてきたが、他のレヴューシーンもものすごくこだわりを感じたので、ペアごとに振り返りたい。
まず一番最初は、双葉と香子の京都組のレヴュー。アニメでも香子さんがヤキモチ妬いてたクロちゃんが出てくるのが笑ってしまったww
現実時間では、家を継ぐ香子と自分の夢を見つけた双葉が険悪になっている状態。
最初のシーンでは、顔出しパネルのように顔のくり抜かれたおじさんたちのパネルがやんややんや言う中での会話シーン。うん、すごく舞台的な演出!!(低予算感)
場所はどんどん移り変わり、「演歌」的な世界観で進行していく。関西らしい!!
デコトラがたくさん出てきたり(入ってる文字もおもしろかった)桜が綺麗に舞うシーンも印象深い。
一方で間に挟まれるバーのママのような香子さんと男装の双葉ちゃんの駆け引きシーンもぶっとんでて緩急の付け方がうまい!!
二人で通学していたバイクのカギを預けて待っててくれというのズルいですね・・・「わかります」(キリン感)。
レヴューシーンの圧巻さでは真矢クロのもかなり凝っててよかったです。
楽屋で将棋を打つシーンから。(将棋のルールわかってたらもっと楽しめたな、と後悔)動物の駒がかわいい。
この二人はいくつもの作品を通して闘っていくのだけど、途中からレヴュータイトルが早すぎて読めないんだよね。そこで「今までのレヴュー名も若干表示短めだったのはわざとなのね!?」って腑に落ちてしまった。
この二人は中盤メインのあたりのレヴューが「白鳥」と「悪魔」がモチーフだったり、薔薇の花弁が舞ったり、めっちゃ歌劇テイスト強くて浪漫感じた。
乙女のマインド持ってる人に一番刺さる演出!
一方で高速レヴューでは「アラビアンナイト」などコミカルな題材もはさまってテンポよかったです!
すっごい楽しいレヴューシーンで「どんでん返し」もアツかった!!最高かよ。
⑦安定のえぐいアクションシーン
最後のレヴューで華恋ちゃんの変身バンクがきたときはキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!ってなった。アニメ版で「お決まり」を築いてきたからこその昂ぶり。
そしてアクションシーン、今回もばっちばちの作画で見ごたえがあった!!
レヴュー(戦闘)と回想メインの、独特の構成だけど、刺さる人にはたまらないよねっ・・・‼
攻めすぎ、大好き(⋈◍>◡<◍)。✧♡
⑧コンビ愛
レヴューの項目で書けなかったんですが、ななと純那のレビューめちゃめちゃ好き。
「和風」なんだけど「軍服」なのがまず双葉香子と似て非なる世界観でよき。
そして「軍服」モノ刺さる女子にはたまらんやつ。(大正ロマン好き)
アニメでもあった、純那の「名言」シリーズ(偉人の言葉)と演出の相性も抜群によかった。
この二人も「主演になれなくても努力を続け諦めない純那ちゃんが好きだった」「今のあなたは私の知っている純那ちゃんじゃない!」と語るなな、「だって仕方ないじゃない。今は、まだ私には主演は」と言い訳する純那。
最後にはななの二刀流の刀の一本で切腹を進めるのだけど、純那はちゃんと逃げないんだよね。ななは自分の道を見つけて、二人の視線の先に別々の色のあかりが灯る。
せつないよぉおおおお。関係性が教化されているようでいい演出!
そして純那ちゃんが好きになってしまうレヴュー・・・!「これは星見純那の言葉」って!(武器もリニューアルして弓じゃなくなったのはちょっと残念。)
⑨魅力的すぎて推しが選べないキャラたち
アニメ版のときは、好きなキャラが選べなかった。
みんな魅力的なのになぜ??と不思議に思っていたのだけど、どの舞台少女もそれぞれに「気持ちわかる」ポイントがあるんですよね。
劇場版でそこに気づかされました!
ほんと嫌いなコがいない。決してみんないい子じゃなくてかなり野心家なのにね!
しいて言うならクロちゃん、香子さん、純那ちゃんが好きです・・・。
ほら一人に絞れないww
⑩キリンとトマト
映画の冒頭が「ぐしゃっとなるトマト」だったのが印象的だった。これはなんだろう?って。「TOMATO!??」って???だったww
キリンは今回も興味深い発言たくさんしてたなぁ。
まさか野菜でできてるとはww
「ワイルドスクリーーーーンバロック」の伸ばし棒の数は意図があるのかな?
キリンの立場がアニメと違うと書いたけど、今回は「最後のレヴューの燃料」で炎になるんだよね。
アニメでは「舞台の燃料」は「舞台少女たちの熱」みたいなこと言ってたけど。
アニメ版では「観客」「キリン」は同じ立場だったけど、劇場版では別個の立ち位置で「観客」はあくまで「舞台少女」を愛し「物語の続き」を望んだ人たち。
今回は感じたこと全てずらーっと書き残しておきたいと思ったので、内容かぶってる箇所もあって綺麗にまとまらなかった。そして文字数。
舞台のすごいところは、観て感じたこと全て「感情」を書き残しておきたいなと思うところ。
解釈も人生にどう役立つかも人それぞれ自由なのが、舞台のいいところだと私は思っています。なので、こんな記事になったのも個人的には取りこぼしなく感じたことを書けて満足、です!
舞台少女沼見えてる・・・( ^ω^)・・・♡