こんばんは。
ずっと気になっていた響の実写化、今週やっと観てこれたので感想書きます。
*筆者スペック
原作漫画5巻まで読破済(原作の作風好きです)
欅坂46の楽曲やパフォーマンスが好きです
アイドルオタク(在宅)
ショートヘア女子好き
一応原作は実写化相当部分の5巻あたりまで読んでるので相違点なども比べられたらと思います。
まずは、平手ちゃんを響にキャスティングした(逆だろうと思うけど企画があって原作をもってきた)ことに全力で拍手。
原作を読んだときから合いそうだとは思っていたんだけど、演技というより憑依に近い形で自然に響を表現するレベルでシンクロしていたことがすごかったとしか言いようがない。この映画最大の評価ポイントかもしれない。(他にもいい実写化の特徴はあった)
秋元さんさすがっす・・・
その後録画してた「あさひなぐ」も観たんだけど、こっちも面白かった。
他の原作モノやってる俳優や事務所には見習って頂きたい。
この先、ネタバレを多大に含みますのでご注意下さい。
原作との大きな違いは
文芸部員のかよちゃんが出てこない
最大の改変はこのくらいだった。キャラ1人削るって作品によっては致命的だったりするが本作においてはたいした問題ではない。本筋には絡んでこないので。
細かなシーンの改変(無数にあるけど覚えているもの)
*鬼島と揉めるシーンの細かい部分
*りかの父の書斎で花井と初めて対面するシーン(つかみかかるのが違ったような)
*クラスメイトとのかかわり方のシーンがない
*りかがハーフである描写があまりない
*涼太郎のヤンデレストーカー要素がすべてカットされている
*隆也の家へ謝罪に行くシーンがない
*文芸部顧問との喧嘩がない(登場しない)
*ラストにあたる会見のシーンで鬼島のコートをひったくって着る部分が花井のコートに変わっている
*桔梗さんが出てこないのでロリィタコスのくだりはりかがさせたことになっている
*田中との仲直り(響いわく)のシーンが電車内ではなくホームになっている
*山本がかなり序盤から登場する
*週刊誌記者の家に押しかけて響が脅しをかけるシーンが大幅に変わっている
その後会見でこいつが質問してくる部分も一部変わっていた気がする
1回しか読んでない割には結構内容覚えてるもんだなー!
だいたいが必要な改良になっているのだけど、週刊誌記者と田中とのシーンは個人的に改悪。最後のコートも鬼島のほうがよかった。(花井さんが遊園地になんかもふもふのコート着てきた違和感はここにつながるわけか)
その他、演技経験が少なそうな役者のシーンが減り、有名どころの役者のシーンが増えた。その辺は興行映画なので仕方ないかという範囲。
また削ってつじつまの合わなくなったロリィタ服の部分などは自然に補完されているのでよし。
全体的に脚本は2時間以内の尺に問題なくハマっていた。いい脚本だった。
次に好きなシーンを振り返ってみようと思う。
*響が授業を受けているシーン(校舎がレトロな建物で、綺麗なシーン。また、普通の女子高生ということや彼女が授業中に何かに思いふけっていることなども読み取れる良いシーン。何回か劇中にある。)
*原作の象徴的なシーン(田中をパイプ椅子で殴る・ラストの会見で花井さんをかばうシーン・先輩の指をへし折るシーン・文芸部の本棚を倒すシーンなど。彼女の暴力の部分を多少やりすぎなくらいのラインで実写化しているのが良かった)
*山本の自殺を見過ごさないシーンからの警官に保護されて車で移送されるラストのシーン
*動物園でアルパカと戯れるシーン(響も動物もかわいい)
*りかの部屋と響の部屋の対比も面白かった。イメージ通りなのだが、置いてある動物のぬいぐるみがりかは毛足の長いふわふわしたもの。響は動物のフォルムに近いフィギュア感ある硬い質感のもの。リアルすぎて机の下にいたぬいぐるみを撫でながら読書しているシーンは本物の動物かと思ったw
*響とりかの喧嘩のシーン(原作でも天才と凡人の対比が面白い。意外にも響がりかのことを友達と言うのがぐっとくる。りかが珍しく人と本気で揉めるのでこっちも釣られて泣いてしまった)
だいぶマニアックな話題が続いてしまったので最後にキャストの話を。
響:平手さん
彼女のイメージムービーとも言えるようなシーンの美しさ(動物園や授業シーン)が多々あった。初主演映画だが滑舌もよく棒ではなかった上に原作の響とのリンクが激しく、心から「はまり役」と言えるキャスティングだった。意思の強い目や白くて綺麗な肌がスクリーン映えするし印象的。表現するのがうまくて本人も好きなのが伝わってきた。声も好き。エンドロールで流れる歌でも泣いた。ブレることのない存在感、さすが15歳にして欅坂46不動のセンターになった子だと思った。
また演技の仕事をすることがあったら、本人と全く違う役をやるときにどうなるかで化けるか変わってくるだろうなと思った。
かっこいいアイドル、好きだなぁと思った。
声質や滑舌がいいのってそれだけで役者の素養だなとほんと思う。
すっかり欅坂46のライブBDが欲しくなった私ですww
りか:アヤカ・ウィルソンさん
原作がギャルなのにケータイ小説を書いてる文芸部の女の子というギャップが面白いキャラなのに、実写ではハーフという部分に重点を置きすぎた感じ。
ハーフの子って派手な格好とかも自然と似合ってしまうのであまりギャル感がなく、むしろアヤカさんはお嬢様感のほうが強い感じで少し原作とズレを感じたキャスティングだった。(実際お嬢さま設定ではあるが)
しかし演技はとても良かったので、りかという役に存在感をしっかり与えていたと思う。誰とも仲良くやれるりかの人懐っこい雰囲気にも合っていた。
原作でもとても好きなキャラなので共感して泣かされる場面も多々あった。
でもやっぱギャル感が薄かったので最初悪い連中とつるんでた時も違和感あった。
あとサービスかなってレベルで水着がきわどいw
田中:柳楽優弥さん
だいぶイケメンになっちゃったイメージがあるが、演技力があるため田中の神経質さや斜に構えた人物像をわかりやすく演じていた。身長も結構あるように見えたので名のある役者では適役だったと思う。本気で観る人をいらつかせる感じさすが。
山本:小栗旬さん
こっちもイケメンになっちゃった感。あとはビッグネームの割に原作ではシーンが少ないので出番は増えていた。大人の事情かな。ヒットする実写化にでてる率が高いので呼ばれたのかなとすら感じる。田中同様演技力があるので、キャラとしてブレていなくて原作のままだった。響とのシーンよかった。小栗旬クラスに啖呵を切る演技ができた平手ちゃんすごいわ。
花井:北川景子さん
元ヤンな花井ちゃん。(劇中では元ヤン設定はなぜか完全に消されていたけど入れてほしかった)周りのキャラが濃いので若干暑苦しさを感じずにはいられない演技だった。薄化粧で横顔が小西真奈美に似てるなと思った。その割に黒のカラコン明らかに入れてるのが違和感。あまり好きな女優ではないが、演技の面で十分に役割を果たしていたと思う。
椿と隆也
椿は原作にそっくりだった。顔キャス?しかし出番はとても少なく、ただの幼馴染だった。隆也は少し顔が優しくマイルドな印象。不良には見えたからまぁいいのか。
キャストについては以上。オジサマ達は見事にはまり役だったので割愛。
いい映画すぎて感想が長い。
最後に総評をもう一度。
観ていて、気分がいい映画だった。暴力女が好きじゃない人には勧めないが、それ以外の人には観てもらいたい。
文芸界の衰退や世間と自分のズレを感じる響、言いたいことも言えない世の中、建前だけの大人、そんなものへの不満などもうまく描かれていて社会派の印象も強い作品だ。
アイドル映画と侮るなかれ。
また、主演の平手ちゃんがセンターを務める欅坂46のコンセプト部分とも作品のテーマ性が見事に合致しているので面白い。
小説が好きな人も楽しめるだろうし、欅坂のファンも楽しめる。
この時代にこの漫画が話題になって、それを平手ちゃんが演じることが運命的にすら思えた。
私はこの映画を観て、大人だって言いたいことすべて飲み込む必要ないんじゃない?と感じた。
自分の中で我慢していたストレスや大人になりきれない部分にこの作品が勇気をくれたと強く思います。何かに勇気が欲しい大人にも観てもらいたい。
そして大人ってつまらないと思う私のような大人にも、共感できる歌を生み出してくれる欅坂46の楽曲が本当に好き。今後も期待しています。
今の時代に学生とかでアイドルファンをやってる子たちは幸せだなと私は思うなぁ。
世間では欅や平手ちゃんを否定的に言う人もいるけど、私は好きだし、好きな子たちには誇ってほしい。中二病上等。今の時代だからこそいろんなアイドルがいるし、嫌いならそれはそれで構わないけどネットでアンチ行為とかしてる10代は終わってると思うわ。そういう行為が欅の歌詞で皮肉がられてるのがわからないのかな(笑)
ネットに「なんであんな人気なの?」「中二病」とか「気持ち悪い」なんて書かれていたのを見ちゃったから反発してみた。そんなん言ったらロックはだいたい気持ち悪い中二病じゃんって思っちゃうけどな(私はロック好きですが)
ほんとネット社会って疲れますねぇ。(苦笑)