「世界には推ししかいないんだ。」

2・5次元の感想や俳優の茶の間ライフ中心にアイドルや声優についても書いてるブログ。

映画「聲の形」感想

 こんにちは、かのです。

 前回、感想通りこして映画から受け取ったメッセージみたいなのを書いたのを先に投稿しちゃったので重複部分もあるかもですが感想も挙げておきます。

 

 

otomegokoro-teatime.hatenablog.com

 

 *私のおたくスペック*

 ・アニオタ(京アニ好き。作品ではけいおん境界の彼方氷菓、たまこが好き)

 ・声オタ(本作では悠木碧さんと入野自由さん、早見沙織さんが好き)

 総評*

 シビアな題材ながら、身近にあるような葛藤を描いていた。

 メッセージ性が強い作品でさまざまなことを考えるきっかけになると思う。

 登場人物はエゴばかりの人間臭い人々でクズな面もあり、精神的余裕がない時に観るのはおすすめできない映画。

 対人関係の悩みなどがある人にはきっと響く。

 

 *声優陣

 公開時からすごいと話題だった早見さんのお芝居はじめ、入野さんはやっぱ普通の高校生(ちょっと影がある)やらせるとピカイチに巧いと思った。

 私の贔屓の悠木さんは原作で好きなキャラを演じていたが、ボーイッシュな少年ボイスでとても素敵でした。本当にさまざまな声色を出せる声優さんだな。

 豊永さんも珍しくチャラっとした役でしたが、作品のいい味になっていた。

 小野賢章さんはお名前を見るまでわからなかった。そういえば男性陣は子役出身のうまい人ばかりである。

 主人公の少年時代が女優の松岡茉優さんなのが謎だったがきけないほど下手ではなかったかな。

 他のメインの声優さんは存じないのでコメント控えます。原作を読んでますが、イメージに合っていたと思う。

 

 *原作

 私は半分くらいの巻まで読んでました。遊園地にみんなで行くあたり。

 その後の映画の展開はすごいハラハラしてしんどかった。

 以下、ネタバレを含みますので許容できる方のみご覧下さい。

 *演出

 効果的だったなと思ったもの、好きな演出。

 ・OP

 小学生時代のいじめのシーンがしばらく続くのでOP曲にかぶせている部分があった。観ていて最初からつらいので音楽のラウド感と相まってよかった。

 ・他人の顔につく罰印

 原作漫画でもそうでしたが、この演出はわかりやすく、かつ斬新でいいと思った。

 終盤で一気に罰印がはずれるシーンは感動に近いものがある。

 主人公の対人恐怖からくる視線恐怖をうまく現している。

 ・昏睡状態の石田くんの手書き文字演出

 昏睡状態から覚める直前、夢の中で西宮さんに会ったと言っていたあのシーン。

 その後のシーンと相まってよかった。

 ・花火の演出

 西宮一家と石田くんが花火を見に行く日、それぞれのメンバーはバラバラに花火大会に来ている。(見ている)距離感が生じている表現としてわかりやすい。

 また、西宮がベランダから飛び降りるシーンでも花火が恐怖感を増している。花火の音が彼女には聞こえないということを考えるとこの一連の流れは切なく、胸にくる。

 ・植野と硝子が手話で「バカ」と言い合うシーン

 演出ではなく場面だが、あの植野が手話覚えるなんて・・・言葉のチョイスも安定である。今後への希望が見えるので好き。二人の関係性の変化もうまく現されている。

 

 *キャラクター

 石田:いじめっこから被害者になった本作主人公。漫画などであまり見ない設定だがリアルでも有りうると思う。小学生時代は酷いものだが高校生になり、エゴからだが西宮さんの為にと行動する時は主体性があり頼もしい。弱い者の立場を経験した彼は、この先の人生きっと人のため思いやって生きれるのではないか。ヒロイン2人から好意を寄せられるがそれどころでないため気づかない鈍感な青年。中高生時代が暗黒だったからか、見た目にチャラっけは一切なく小学生時代をそのまま大人にした感じの風貌。私はこの主人公は憎めない。

 永塚:ルックスも言動行動も完全なるコメディ要因。シリアス続きの本作のオアシス。やーしょーって石田を呼んでるのが意味不明だと思ってたら、名前か。シースー的なあれかww結弦とのやり取りも漫才みたいで楽しい。

 真柴:映画では掘り下げがなかったためなんだかよくわからない子だった。やたらと石田に近づいてくるのでものすごい腹黒なのかと邪推してしまった。

 硝子:本作のヒロイン。キャラデザの可愛さやいつもニコニコしていることから聖人君子なのかと思ったが違う。彼女のことを嫌いと言う、植野の言動からそのことが伺える。悲劇のヒロインぶると言われて責められるシーンはまさしく西宮という子を現していたように思う。厳しい言葉だが、実際障害を抜きに考えても自殺未遂は周りにそうとられても仕方ない行為であった。

 佐原:見た目や立ち位置が小学生時代とはがらっと変わった子。しかし、自分の弱さや「逃げ」に引け目を感じている。しかしながら、手話で硝子と話せるレベルまで勉強したことや苦手だった植野と今では普通に接していることは彼女の努力以外の何物でもない。女子キャラの中で一番硝子と友達になれそうな人物。

 植野:石田の立場が逆転した際に助けられなかったことを後悔している子。小学生時代女子グループのリーダーで西宮や佐原に言葉の暴力をふるった。過去の彼女は酷いし、今も性格は悪い。しかし「ほんとのことしか言ってないし」といじけて見せる通り、いいこぶりっこは一切しない子である。むかついたらイライラするし、相手に直接嫌いと言うし暴力も振るう。人としてどうなんだ?と思うがやっぱ私は植野嫌いになれない。最初は大嫌いだったけど。硝子に対する態度を見ていると一概に植野ばかり責められないと感じた。

 川井:最初から最後まで見ても一切のフォローが思い浮かばないレベルで嫌い。傍観者だったからではなく八方美人でいい子ぶりっこ、あざといからである。すぐ泣いたり、喚いたり被害者ぶるのが得意。こういう女いるなぁと思う。原作ではもっと真柴へのアピールがうざかった。石田の指摘どおりの「自己愛の強い」女。これといって挫折も味わっていないのでこれからも器用に図太く生き延びていきそう。

 結弦:原作でも一番好きな女キャラ。彼女は根本が優しく繊細である。アニメではあっさりしていたが、原作での祖母とのエピソードは今作で一番泣いたシーンだった。姉のために自己犠牲をしていることを祖母や石田に見透かされている。他の人物たちに比べ、終盤での前進が目覚ましかったので彼女のこれからの人生に幸多いことを切に祈る。 

 

 *原作との相違点

 途中までしか読んでなかったので「映画撮影」のシーンのことは忘れていたが尺的に仕方ないかと思う。

 序盤の石田くんが自殺しようとしてるシーンが途中まで説明なしなのでわかりにくかった。

 個人的にはゆづとおばあちゃんのシーンはもっと丁寧に描いてほしかったが、序盤で出番が多かったので仕方ないか。動物の死体の写真ばかり撮るという行動の意味も、姉の飛び降り事件後のエピソードで説明されたので補完はできていたし。

 

 *主題歌 

 aikoが嫌いではないが、映画とは違和感があった。

 本作は恋愛映画というわけではないのでマッチしていなかった。一方で彼女を起用することによりとっつきやすく、普段アニメを観ない層を取り込む目的とも思えた。

 しかし、恋愛よりも大きな対人関係を描いた本作には、もっと哲学的な人間同士の繋がりを描いた曲がよかったのではないか。大人の事情かな。